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- 01SCDLP寒天培地とは?
- 本来,SCDLP寒天培地は防腐剤(あるいは消毒剤)の入った医薬品や化粧品の微生物汚染を検査する目的の培地です。
検査対象に薬剤や消毒剤の成分があると、菌は薬剤によって抑制されてしまい、SCD寒天培地では目に見えるようなコロニー(集落)を形成せず、正しい検査結果が得られない場合があります。
SCDLP寒天培地には消毒液不活化剤が添加されており、検査対象の消毒剤を不活化させるので、菌は抑制されることなく、正しい検査結果を得ることができます。
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- 02届いた培地の色がいつもと違うのですが?
- 未開封の状態で培地色が通常と異なる場合は、以下のことが原因で培地のpHが変わったことが考えられます。
◎ドライアイスのガスによる影響
◎培地の乾燥
◎雑菌汚染 など
たとえば卵黄加マンニット食塩-A寒天培地では、まれにドライアイスのガスの影響で色調が変化する場合があります。
配送中などにドライアイスのガスの影響を受けた場合も培地のpHが変わり、色調が変化します。
この場合は半日~1日程度、培地を室温に放置すると通常の色に近い状態に戻ります。
(完全には戻りません。)
通常の色に近い状態に戻れば、性能には問題なくご使用いただくことができます。
室温に1日以上放置しても色調が戻らない場合は、培地の乾燥など他の原因も考えられます。
このような場合や雑菌汚染のあるものはご使用にならず、当社までご連絡をお願いいたします。
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- 03プロチェックE-Wの色素は安全ですか?
- プロチェックE-Wに含まれている成分は人体に害はございません。
もし、手などに付着した場合は石鹸やアルコールなどで洗い流してください。
あやまって色素を口にした場合でも特に問題はありませんが、よくうがいをしてください。
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- 04プロチェックE-Wはどういう目的で導入すればよいですか?
- 衛生管理を正しく行う目的で使用します。
プロチェックE-Wを使用すれば『本当に正しく洗えているのか』目視で簡単に判断ができるため、調理、洗浄作業従事者への教育にも使用できます。
調理器具、設備等の洗浄は、食品製造にかかわる重要項目です。
洗浄をしたつもりでも、正しく洗浄できていなければ意味がありません。
本当に洗浄できているかどうかを調べるには、通常の目視点検だけでは十分ではありません。
正しく洗浄できていないケースを見逃してしまえば、最終的には食中毒などの発生へとつながる可能性もあります。プロチェックE-Wは、調理器具(まな板や包丁、バット等)、調理施設(食品工場のライン等)が本当に正しく洗えているかどうかを、誰もが確実に目視で確認することができます。
そのため、衛生管理を正しく行う目的での導入にはとても有効です。
また衛生環境の安全だけでなく、第三者への安心感や、調理施設としての衛生面にかける努力への印象も、洗浄の確認をするとしないのとでは大きく違ってくるでしょう。
その他HACCPの運用においても、便利に有用に使用していただくことが可能です。
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- 05どうして洗浄、正しく洗えているかの確認が必要なのですか?
- 一般的には『付けない、増やさない、やっつける』というのが『食中毒予防のための三原則』とされています。そして、この中の『付けない』の実施項目のひとつが『洗浄』です。
調理器具・食品製造ラインに汚れ・食中毒菌が付着していると、それらを使う全ての商品に危険が及ぶ可能性があります。
ですから、調理の過程で汚れた調理器具、製造ラインの洗浄は現場では当然のことです。
でも・・・
『本当に正しく洗えているのだろうか?』
こんな疑問を感じたことはありませんでしょうか?
目視だけでは洗浄の確認は十分とはいえません。
もし正しく洗えておらず、食中毒菌の繁殖の原因となる栄養素が残っていたり、微生物が付着したままであれば、やはり食中毒発生の危険も高くなります。
よって衛生管理を確実とするためには、正しい洗浄の確認が必要となってきます。
プロチェックE-Wは正しく洗浄できているかを、誰でも安価で簡単に確認できます。
洗浄度のチェック、確認をマニュアル化しておき、正しく洗浄度検査の実施データを管理しておけば、PL法の観点からも有用なデータとなります。
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- 06ふき取りをした後,青(緑)色が調理器具に付着してしまいます。
- ふき取り検査をした後の青(緑)の色素が調理器具、設備、製造ラインに着色し、水洗いなどでは簡単に落ちない場合があります。
これは、着色した場所に、目に見えにくい細かいキズなどがあり、そのキズなどに入り込んだ頑固なたんぱく
汚れがあるという証拠でもあります。
この場合は重曹、多目的洗剤を適切な濃度に薄めて各種洗浄すれば、着色を除去できます。
●重曹の場合 10%~30%
●多目的洗剤の場合 0.2%程度(水温が高いと効果も高い)
まな板などの場合は、メラミンスポンジを水で湿らせ洗浄していただいても効果はあります。
それでも色が落ちない場合は、その調理器具には除去できないたんぱく汚れがあると考え、調理器具の交換もご検討されてはいかがでしょうか。
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- 07実際、どこを検査すればよいですか?
- 食品が直接触れる場所全てが対象となります。
またヒトの手などを介して間接的に、食品が触れる恐れがある場所も検査対象です。
(ドアノブ、冷蔵庫のドアなど)
使用施設はレストラン、居酒屋、お弁当屋、各種食品工場等で、他にも食品を扱う施設、調理をする施設も対象です。
●まな板
●包丁、キッチンバサミ
●調理バット、ホテルパン
●食品保存容器、タッパーなど
●ボウル、ザルなど
●調理台、調理ライン
●調理道具全般(レードル、お玉など)
●野菜自動カット機、スライサー、おろし用器具など
●フードプロセッサー
●食器
●製造ライン などが検査対象となります。
また、調理施設によって対象となる品目は様々であると考えられますが、食品が直接触れる場所、物は検査対象となります。
※熱処理を施さない食材の場合は、更なる注意が必要といえます。
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- 08プロチェックE-Wを使うと衛生環境は良くなるのですか?
- はい。結論から言いますと衛生環境はよくなります。
プロチェックE-Wは洗浄をした『結果』をその場で目に見える色調の変化で教えてくれます。
またその『結果』は誰にでもすぐにわかるものです。
ですから、今までは洗浄できていたと思っていたものが、プロチェックE-Wと使うと洗浄できていないと判明する場合もあります。
『洗浄結果がよくない』とでれば、当然再洗浄を行うきっかけとなります。再洗浄を行うことで洗浄できていない箇所が減っていき、結果的に衛生環境は向上することになります。
また、実際に作業を行っている洗浄作業者・調理従事者の方が使用し,その検査結果を見ることで、注意・啓蒙などにも効果を発揮することが期待できます。
こうような観点から、プロチェックE-Wの使用で衛生環境は多角的に向上すると想定できます。
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- 09何度洗浄しても、プロチェックE-Wで拭き取ると色が変わってしまいますが?
- 例えば、目に見えない細かい傷があるまな板、その傷にたんぱくが入り込んでしまった場合、例え表面は綺麗に洗えたとしても、細かい傷の深いところまでは洗浄がなかなか行き届かないこともあります。
その場合は何度洗浄しても試薬の色素が付いてしまうこともあります。
また洗浄が困難な凸凹がたくさんある調理器具(ザルなど)でも、表面的に洗浄ができていたとしても、手の行き届きにくい所では色が付いてしまう可能性もあります。
このような場合は漬け込み洗浄などを行ってください。
場合によっては、新しい衛生的な物に交換するサインと読む必要があるかもしれません。
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- 10プロチェックE-Wの検査は細菌(微生物)がいるとわかりますか?
- プロチェックE-Wは、たんぱくを検出する製品です。
細菌(微生物)を直接判別するものではありません。
しかし正しく洗浄ができず残留たんぱくがある場合、もしそこに菌が付着すると、たんぱくを栄養源に繁殖しはじめる可能性があります。
よって正しい洗浄ができていないということは、細菌の生存を許すことにもつながります。
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- 11プロチェックE-Wの検査(タンパクふき取り法)は一般的?みんなやっている?
- はい。特に食品工場など、大規模調理施設では幅広く認知されており『たんぱくふき取り法』を導入されているところもございます。
複数の飲食店、工場を展開する施設の現場の衛生管理、チェックの導入にプロチェックE-Wは最適な商品です。
『たんぱくふき取り法』は食中毒などが発生する前に事前対策を講じる有効な手法です。
定期的な検査の実施によって安全な食品製造環境を構築し、対外的にも衛生管理の実施をアピールできます。
<たんぱくふき取り法を導入するもう一つの理由>
調理器具、施設の衛生管理の一環としてHACCPの遂行を取り入れる施設があります。
また、導入時には定期的なチェックをするようにマニュアルも作成されています。
たんぱくふき取り法は公定法ではありませんが、洗浄度のチェック・確認を行うことは、行わない場合に比べ、多角的に(PL法に関しても)信頼性の向上にも役に立つはずです。
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- 12使用後はどうしたら、またどう処分したらいいの?
- <使用後>
プロチェックE-Wでふき取り検査をした場合、ふき取った箇所に試薬がわずかに残りますので必ず水洗いなどを行ってください。
しかし水洗いしても色素が落ちない場合もあります。
色素が落ちない場所、そこにはたいていの場合見えない細かい傷などがあります。その傷に入り込んだたんぱくに試薬が反応し、洗浄が困難(色素が落ちない)と示しているのです。
この場合は重曹、多目的洗剤を適度な濃度に薄めて各種洗浄をすれば、着色を除去できます。
●重曹の場合 10%~30%
●多目的洗剤の場合 0.2%程度(水温が高いと効果も高い)
またメラミンスポンジを水で湿らせ洗浄していただいても効果はあります。
<処分に関して>
プロチェックE-Wは『綿球部=綿』『棒部=プラスチック』となりますので、各自治体などで定められた廃棄方法で廃棄してください。
(感染症廃棄物ではありません)
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- 13ATP(法)との比較、代用できますか?
- たんぱくを指標とした衛生管理、洗浄度の目視確認であればATP法のような高額な機器、試薬でなくとも、安価なプロチェックE-Wで十分に検査が可能です。
<ATP法を使用する場合>
専門的な知識も必要となるため、誰もができる検査とはいえません。
<プロチェックE-Wを使用する場合>
ふき取って色を見るだけですので、誰でも使用でき、誰でも検査結果を知ることが可能です。
なおATP法の場合は対象物をふき取る際、ふき取り方・力加減などによって、また取り扱う食品・素材によっても測定結果に大きな差が生じます。
しかしプロチェックE-Wはたんぱくのみを指標としているので、たんぱく検査においては非常に安定しているといえます。
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- 14洗剤による影響はありませんか?
- 一般的な台所用洗剤(界面活性剤、安定化剤、中性洗剤)または、塩素系漂白剤(液体)の一般的な使用濃度であればプロチェックE-Wの使用にあたり問題がないことを確認しております。
しかし上記の洗剤などであっても、使用濃度が高ければプロチェックE-Wの製品の色調に支障をきたします。
●濃度が高い洗剤をふき取る...たんぱくにかかわらず、本来黄色なのが、青くなります。
●ほかの洗剤(酸素系漂白剤(粉末))など...一般使用濃度でも洗剤をふき取ると、
黄色から青(もしくは白)に変色してしまいます。
これらの特性をうまく活用することで、洗剤の洗い流し不足も発見できます。
●色が黄色から青に変われば...たんぱくが存在する、もしくは洗剤が洗い流せていない。
●黄色から変色をしない状態であれば...たんぱくも存在せず、洗剤も正しく落とせている。
と判断します。
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- 15どれだけ安価なのですか?
- プロチェックE-Wはかなり安価に検査を行うことが可能です。
価格の比較として、ATP法があります。
<ATP法で検査をする場合>
まず測定機器購入時の費用のほか、一検査あたりの試薬におよそ250円~300円程度必要となります。
<プロチェックE-W 100本単位でのご購入の場合>
特別な測定機器の購入を必要としないので、一検査あたり約15円程度です。
(100本の場合 200ヶ所の検査ができます)
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- 16検査の導入例を教えてください
- 各種調理施設、または使う食材によって様々な状況・パターンが考えられますが、ここでは洗浄度の確認のため、初めて『たんぱく法』を導入しようとご検討の方を対象に導入の一例をご紹介させていただきます。
■どの調理器具を対象とするのかを決定します
まずはよく使う調理器具を対象とします。
・包丁、まな板、バット、ホテルパンなど
(手始めの検査としてなので、一度に沢山の検査でなくてもまず3~4つの調理器具に絞りましょう)
■どのタイミングでプロチェックE-Wを使うのか?
大規模な食品工場であれば・・・
ライン停止時、業務終了時、清掃片付け時
レストラン、居酒屋など中、小規模な調理場であれば・・・
支度時、営業終了時の清掃、片付け時
※業務中、営業時間中でも調理器具の洗浄もされるかと思いますが、手始めの導入事例として、
業務停止、営業時間外を対象に説明いたします。
拭き取りの開始は、各種洗浄、片付けを一通り終了してから行ってください。
一つの調理器具に対して、プロチェックE-Wの綿球一つのみをお使いください。
さて、いよいよプロチェックE-Wを取り出してふき取ります。
下記の3つのポイントを踏まえた上でふき取りを行ってください。
●よく使うまな板の、よく使う場所(まな板の中央部など)
●よく使う包丁の、先端から柄まで(包丁の刃全面)
●空になったバットの内側底の四隅。またはボウル、ザルなど
(食品工場であれば、メインラインで食品が一番触れる場所など)
そのほか気になる場所も、ふき取りましょう。
■プロチェックE-Wでふき取ったら、反応を観察します
緑色(青)になった調理器具があった場合
その調理器具は、正しく洗えていない、もしくは洗い残しがある証拠となります。
たんぱくが残っていると細菌の増殖や温床となります。再度洗浄を行いましょう。
緑色にならなかった場合
その調理器具は綺麗に洗えています。
ふき取った場所にはプロチェックE-Wの試薬がわずかに残ります。
水洗い、またはアルコールティッシュなどでふき取ってください。
■上記の検査を毎日続けます
例えば『包丁、まな板、バット』の3種でもよいので、『毎日の検査』を続けます。
プロチェックE-Wの検査を毎日行うことで日々の洗浄状態が確認でき、
より安全な衛生環境を保つことができます。
■安全な衛生環境=食中毒などの対策をしている環境
「毎日の検査」が定着したところで、業務・手間の状況を見ながら検査する調理器具を増やしましょう。
その後、各施設にあったふき取り箇所を設定し、定期的なチェック・確認が行えるよう
マニュアル化してください。
以上がはじめてプロチェックE-Wでの検査を導入する場合の一例です。
初めてたんぱくふき取り法を導入する場合、通常の業務終了時、または支度時、食品工場であればライン停止時にプロチェックE-Wを用いれば簡単に洗浄度のチェックが可能です。
衛生管理、HACCPの遂行、または従業員の教育などに是非お役立てください。
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- 17検査感度の単位は何ですか?
- プロチェックE-Wの検出感度は「0.02mg」としておりますが、これは製品の性能試験で用いた試料の濃度「0.02mg」を定性的な目安として示した数字のため「ppm」や「%」ではお示し出来ません。
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- 18食品アレルゲンの検査にも使用可能ですか?
- まず、結論といたしまして、本製品はアレルゲン検査を想定した仕様となっておりません。
エライザ法による特定アレルゲン検査では、検査材料1g中に特定原材料由来のタンパクが10µg/g以上含まれていると、特定原材料が混入している可能性があると判断されます。(アレルギーを起こす可能性がある。)
一方、プロチェックE-Wのタンパクの検出感度はエライザ法と比べて感度が悪い為、プロチェックE-Wでタンパクが検出されなくても、微量のタンパク(アレルゲン物質として)の存在は否定できません。
■アレルゲンに対する考え方
<プロチェックE-Wでタンパクが陽性となった場合>
タンパクが陽性のため「アレルゲン」が存在している可能性があります。
少なくともタンパクが検出しなくなるまで再洗浄などの措置を講じることで、よりリスクを
減らすことができます。
<プロチェックE-Wでタンパクが陰性の場合>
微生物の栄養源となるレベルのタンパク汚れは無いと考えられますが、微量のアレルゲン物質の
コンタミネーションまでは否定はできません。
結果、プロチェックE-Wだけでは、アレルゲンの確認判断は困難と考えます。
ただ、食物残渣(つまりタンパク)の有無を確認することで、アレルゲン汚染を起こしにくい
状態にするための用途として有効であるといえます。
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- 19プロチェックE-Wの色調が変化する原理とは?
- タンパク質と色素が結合すると、pHによって色調が変わる反応を利用しています。